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魔太郎がくる!!

藤子不二雄(A)の魔太郎がくる!!(電子コミック)レビュー

魔太郎がくる!! 【電子コミック】

著者 ページ数 クチコミ評判
藤子不二雄(A) ページ ★★★★★☆

過激!!故に改変・封印された異色ホラー漫画

『藤子不二雄(A)』の異色作品『魔太郎がくる!!』は、1972年から1975年にかけて『週刊少年チャンピオン』で連載された漫画作品。人間の悪の感情がこれでもかと描かれており、圧倒的迫力でせまってくる物語で、氏の作品の中でも、かなり独特なホラー漫画です。

主人公の「浦見魔太郎」は、イジメられっ子で、いつも不良や悪い大人に目を付けられてしまい、精神的苦痛、肉体的苦痛の両方を受けてしまいます。そんな魔太郎は、我慢の限界に達すると決め台詞「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」という不気味なつぶやきと共に、復讐行為を開始します。切人という、赤ちゃんながらすでにブラックな一面を持ち合わせ、魔術を駆使する準レギュラーの存在も物語を盛り上げます。また「怪奇や」というお店があり、魔太郎の相談にのってくれるマスターの存在もいい味を出しています。

道具を使うだけでなく、特殊な能力「「うらみ念法」を使い、復讐を繰り返しますが、その容赦のない行動のエネルギーはおそろしいものがあります。あまりに過激な内容により、後に封印エピソードが出たほどです。少年事件の凶悪化・深刻化などにより、社会情勢を考慮する動きとして、単行本化に伴い大幅に書き直された話が多数あり、また後に欠番扱いとなったものが存在するという現実が、その過激さを表しています。



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