王道ファンタジーのライトノベル作品
「魔弾の王と戦姫」は、川口士(著)/ よし☆ヲ(後に片桐雛太)(イラスト)のライトノベル作品。2014年10月よりテレビアニメが放送されている人気作品で、コミカライズもされています。まさに王道ともいえるファンタジー作品。
最初に気に入ったのは主人公。田舎の落ちぶれた小貴族でありながらもプライドを持ち、たとえどんな状況に置かれても一本筋の通った態度を貫き通す彼の姿は素直にカッコイイと思えます。そして戦闘シーンに於いても、己の弓の腕を信じつつ地の利を十二分に生かした戦いを繰り広げる主人公はとても印象的でした。また彼はそういった戦闘能力の高さをひけらかしたりしませんし、毎朝寝坊して侍女の女の子に叱られてしまったりするところに親しみを感じてしまいます。
魔弾の王と戦姫は、ジャンルとしてハーレムものに分類されるかもしれませんが、このレーベルの他作品よりラブコメ要素が非常に少ないです。そんな中、主人公の周りに現れる女性キャラクターに於いて「ジスタートの七戦姫」の一人エレンに非常に好感が持てます。彼女の戦場での無双の強さと冷徹さに対し、町娘に姿を変えたときや、ふとした瞬間に見せる女の子らしいかわいらしさのギャップも良く、好きなキャラクターです。
侍女ティッタの主人公に対する健気さや、エレンの副官リムの厳しい態度とあるきっかけで起こる変化のギャップも読んでいて楽しいものでした。今後、何か秘密があるらしい主人公と彼の持つ弓を中心に作品世界がどのように展開していくのか、主人公が巻き起こる戦いをどう乗り切っていくのかが見どころになっていきます。次回が気になって仕方がない作品です。