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#1015 さりげなく、守ってくれて。

あなたの危機管理が好き。
今日は、あなたの少人数の勉強会。
30分遅れて、一人の人が入ってきた。
その人は、机の上に、荷物を並べ始めた。
普通、すぐテキストに向かい始めるのに、おかしい。
ちょっと、そぐわない雰囲気だった。
なかなか椅子に、座らない。
本や資料を並べ始めた。
あなたは、「何?」とたずねた。
「みなさんに、いいお話があるんです」
その瞬間、怪しい物販であることがわかった。
「それは、ここですることじゃないよね」
あなたは、冷静に言った。
「みなさんは、聴きたいはずです」
目が尋常じゃない。
こわい。
生徒の一人の男性が言った。
「ここに、あなたの話を聞きたい人は、誰もいない」
もう、聞く耳を持たないことを、あなたは気付いた。
あなたは、退去を命じた。
変な人は、演説し続けた。
あなたは、受付に、警備の人を呼んでもらうように告げた。
二人の警備さんが来た。
がなり続ける男性が、変な人であることは、警備さんにもすぐわかった。
「警察に、来てもらってください」
警備さんは、あなたの一言を待っていた。
警察が、すぐ現れた。
あなたは、冷静に、状況を伝えた。
さすが警察。
一瞬で、状況を把握した。
変な人を連れ出し、荷物を外に出した。
いつも通り、授業を続けた。
振り返ると。
あなたは、一度も、声を荒げることはなかった。
ただ、常に、声の落ち着きで相手を制していた。
凶器を持っていないかも、確認していた。
そして、女性との間に立って、女性を守っていた。
シナリオが書けない体験レッスンだった。



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