#1020 イタリア人のノリで。
あなたのイタリア人のノリが好き。
あなたと、ホテルのレストラン。
イタリアのファッションブランドのホテル。
ホテルまでの動線が、すでに脱出ゲーム。
ドアを入ると、三方が壁。
行き止まり。
私が、戻ろうとすると、あなたは戻らない。
すると、だまし絵のように、一つの扉が開いた。
あなたも初めてなのに、騙されない。
40階に上がる。
そこから見る景色は、いつも知っている場所なのに、見たことがない景色だった。
レストランに入ると、イタリア人のマネージャーさんが、出迎えてくれた。
さすが、ファッション雑誌のモデルのようなマネージャーさん。
テーブル担当のスタッフの男性も、おしゃれだった。
会話に、ユーモアがある。
バーテンダーも、しているとのこと。
バーテンダーさんは、踏み込みが深い。
さすが、バーテンダーさん。
さすが、イタリア。
さすが、ラグジュアリー・ブランドのホテル。
と、思ったけど。
違う。
周りのテーブルには、普通のサービスをしている。
ということは。
マネージャーさんも、バーテンダーさんも、お客さんを選んでいる。
このゲストは、踏み込んでんも大丈夫なキャパがあるかどうか。
どこまでの冗談なら、笑って許してもらえるか。
キャパのない人に踏み込むと、クレームになる。
その見極めを、一瞬でするのが、プロ。
バーテンダーさんと、あなたは写真を撮った。
シャッターを押す瞬間、あなたは彼に言った。
「EXILEに、いるよね」
写真には、満面の笑みを浮かべたバーテンダーさんが、写っていた。