#1023 カフェが、バレエのステージに。
あなたのカフェの選び方が好き。
あなたと、表参道でランチ。
11時半の予約。
お店は、11時半からのオープンで、すでに並んでいる人がいた。
まだ、時間がある。
すぐ近くのカフェで待つことにした。
近くにカフェがたくさんある。
あなたは、1軒のカフェを選んだ。
ここのカフェのウエイトレスの女性が、かっこいい。
近くに、モデル事務所が多い。
店内にも、オーディションで見せる自分のポートフォリオを持っている外国人女性も大勢いる。
売り出し前の女性が、アルバイトをしているのかもしれない。
髪をバレリーナのように、キレイにポニーテイルにしている。
清楚。
そういえば、このあたりには、クラシックバレエのスクールも、多い。
ひっつめの少女が、姿勢良く歩いていて、すれ違う。
ポニーテイルは、差がつく。
サービス業で、ポニーテイルをマニュアルにしているお店は多い。
でも、差が大きい。
ポニーテイルの勝負は、結び目が高いこと。
そして、「ひっつめ」が美しいこと。
慣れていないと、ほつれ毛がこぼれる。
そうすると、バレリーナから、幸薄(さちうす)な女性に、変わってしまう。
バレリーナは、学校に上る前から、自分でさっと束ねているので、手慣れている。
素人のポニーテイルと、バレリーナのポニーテイルは、一目でわかる。
バレリーナは、ポニーテイルで、背筋を伸ばしている。
アスリートは、ユニフォームの着こなしで、力量がわかる。
バレリーナは、ポニーテイルのまとまり具合で、力量がわかる。
そう言われると。
お店での歩き方も、美しい。
お店の中が、ステージに見えてきた。
テーブルへのコーヒーカップを置く時も、背筋が伸びている。
エプロンが、チュチュに見えてきた。
私まで、姿勢が良くなった。
あなたが、このカフェを選んでくれた理由が、わかった