#1030 順番を、待っている。
あなたのスイカの切り方が好き。
大きなスイカが、届いた。
冷蔵庫に入らない。
それどころか、切っても、冷蔵庫に収まらない。
さらに、切ることも、難しい。
スイカを切るのは、あなたの係。
あなたが、スイカをまな板に乗せる。
はみ出している。
スイカを、撫でる。
出刃包丁を、当てる。
軽く、刃を入れる。
力を入れているわけではない。
すると、スイカは、自分から割れた。
不思議。
切れ目を、入れただけなのに。
まるで、結び目を解くように。
絵本で、桃から、桃太郎が飛び出すように。
スイカは、切り取り線があるように、真っ二つに切れた。
種が、七夕の短冊の絵のように並んでいる。
思わず、見とれてしまった。
めんどくさい種のはずなのに。
まるで、キレイに並べたように並んでいた。
さらに、あなたは、4分の1にカットしてくれた。
まだ大きい。
今度は、垂直に8分の1にカットしてくれた。
やっぱり、同じように、全く力を入れなかった。
断面も、綺麗だった。
スイカの甘い香りが、漂った。
スイカの隣で、キャベツが、順番を待っていた。
あなたに、カットしてもらうのを。