#1036 攻めか、もっと攻めか。
あなたの2択が好き。
あなたと、野菜のレストランに。
畑から直送されるお店は、美味しい。
しかも、畑で育てている人が、料理もしてくれる。
畑のあるレストランではない。
レストランのある畑というのが、うれしい。
美味しいに決まっている。
お店のスタッフの女の子たちが、若いのに驚いた。
高校生のアルバイトのように若い。
なのに、キビキビ動いている。
一人ひとりが、野菜愛に、満ちている。
料理だけではなく、テーブルへの気配りも、細やか。
畑の野菜に気配りする人は、人にも気配りができる。
野菜を食べに来たのではなく、野菜になった気分になった。
まず、ドリンクのオーダー。
メニューを見ると、謎なモクテルがあった。
迷った。
「この謎のドリンクか、ジンジャエールかで、迷う」
普通の男性なら。
「じゃあ、その2つ取って、わけよう」となる。
あなたは、違う。
あなたは、スタッフの女性に、謎のドリンクと、もうひとつ謎のドリンクを頼んでくれた。
わかるものは、もはや頼まなくていい。
謎と安全牌の2択にしている自分がいた。
あなたの2択は、違う。
謎と謎。
そこに、安全牌の選択肢はない。
ドリンクが、届いた。
謎のドリンクを、2つ味わった。
なるほど。
こう来たか。
あなたは、ドリンクを届けてくれた女性に言った。
「おいしい。作るのも、君なんだね」
あなたは、彼女が作っているところも、見ていた。
彼女の顔が、畑の野菜のように、ぱっと明るくなった。