#1047 パリ16区でも、大丈夫。
あなたの寄り道が好き。
あなたと、京都のホテルの和食レストランに行った。
会席料理も、美味しかった。
器が、可愛かった。
デザートのわらび餅も、美味しかった。
生姜が、新鮮だった。
ホテルは、ターミナル駅にあった。
ホテルを出て、駅の方に向かう。
「これを、覗いてみよう」
あなたの目線の先に、看板があった。
フランス展。
ターミナルにあるデパートの催事場で開催されていた。
看板には、赤いスカーフだけが、本物が巻かれていた。
フランス展の看板だと、もっとトリコロールを全面に押し出そうとしてしまいそうだけど、赤と青を最小にとどめているのが、おしゃれだった。
ポニーテイルに巻かれたシュシュが、トリコロールだった。
来る前、ここを通ったのに、気が付かなかった。
こんなに大きな、こんなにおしゃれな看板なのに。
あなたは、きちんと、気づく。
催事場に行くと、フレンチのスイーツの名店が集結していた。
たかぶる。
あなたと、1周した。
「どれが、気になった」
待ってました。
私は、1軒のジェラートが気になっていた。
ジェラートは、6種類あった。
ダブルを、2つ頼んでくれた。
4種類を、選んだ。
ドーナツ状に並んだスイーツ店の中央に、イートインコーナーがあった。
珍しかったのは、デーツのジェラート。
デーツは、アラビア起源のヤシ。
なつめとの違いは、なつめが中国起源のヤシであること。
あなたは、お店のスタッフさんと話をしていた。
なんと、オーナーシェフは、パリ16区に、開店1年半で、ミシュラン1つ星を獲得した日本人シェフだった。
京都にある店舗の場所を、あなたが確認していた。
わたしは、いつでも、大丈夫。
パリ16区でも、大丈夫。
パリ16区の凱旋門が、浮かんでいた。