#1067 無言の握手。
あなたの無言の握手が好き。
あなたと、お通夜に行く。
昨日、連絡が届いた。
お通夜は、翌日。
奇跡的に、その時間が空いていた。
会社員時代から、個人的にお世話になっていた。
独立する時も、会社の上司ではなく、その人に連絡した。
その人も、独立。
訃報の連絡は、不思議。
家族は、その人の友人関係を、どうやって知るのか。
結局。
連絡がつくという人が、縁がある人。
きちんと準備しすぎると、むやみに増えてしまう。
縁がある人には、どう転んでも、連絡が届く。
それでいい。
娘さんから、連絡が届いた。
伺うメールをする。
娘さんとは、初めてのやり取り。
「父から、伺ってました」
それが、嬉しい。
お通夜は、夕方6時。
早めに、行く。
お通夜が始まると、ご挨拶が、しにくくなる。
ほとんどの人は、時間丁度に到着する。
娘さんは、意外に、微笑んでいた。
献花を終えて、お送り口で、娘さんに握手。
「一段落したら、またゆっくり」
長々と、話はしない。
あなたは、悲しそうな顔はしていない。
むしろ、いつもの微笑み。
あなたの微笑みに、娘さんの瞳から、涙が溢れた。
あなたの、娘さんへの恩返しを、天国のお父さんに伝えていた。
無言で。