#1077 座るまでの、間に。
あなたの初対面での仲良くなり方が好き。
あなたと、ホテルのレストランのビュッフェ・ランチに。
初めてのお店。
11時半、オープンで、列ができている。
受付の女性が、予約の名前を聞きながら、席をスタッフに指示している。
あなたは、待っている時も、姿勢がいい。
そして、微笑んでいる。
私達の順番が来た。
あなたは、礼儀正しく、そして、フレンドリーに挨拶をして、名前を告げた。
そのやり取りが、実に丁寧。
感じが良い。
スタッフの女性が、パソコンの画面を見ながら、なにか考えていた。
予約は、通っているはず。
しばらくして、案内のスタッフの男性に、テーブル番号を告げた。
「ご案内します」
と、スタッフの男性が、誘導してくれた。
「当店のご利用は、初めてですか」
「初めて、伺いました」
あなたの返事は、楽しそう。
まるで、テーマパークに来たかのよう。
そのひと言で、案内の男性のテンションも、上がる。
ビュッフェテーブルに置かれている料理を、説明してくれる。
お店は、奥までテーブルが続いていた。
一番奥のテーブルだった。
窓からの景色が、素晴らしかった。
「こちらのお席へ、どうぞ」
「ありがとう。関西ですか」
あなたが、声をかけた。
「あっ、そうなんです」
「関西は、どちらですか」
「三重なんです」
「おお、三重はどちらですか」
「亀山です」
「亀山ですか。予備校時代の寮で、三重の友だちが多いんです」
前からの知り合いのように、すっかり打ち解けていた。
受付の女性は、あなたの礼儀正しさを見て、奥のいいテーブルに、変えてくれたのだった。