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#1084 アイコンタクトで、選ばれる。

あなたとタクシーを待つのが好き。
あなたと、タクシーを待っている。
雨が、振り始めた。
そうなると、空車はなかなか来ない。
タクシー待ちで、必死に手を振っているお客さんが多い。
そんな時。
あなたは、イライラいしない。
一台の空車が来た。
やれやれ。
と、思うと。
川下にいた男性が、私たちを通り越して、空車に突進していった。
それでも。
あなたは、イラッとしない。
だから。
あなたと、タクシーを待つのが、好き。
永遠にでも、待っていることができる。
あなたとなら。
でも、意外なことが、たくさんある。
遠くから、タクシーが1台。
あっ、残念。
迎車のライトが、ついていた。
ところが、その迎車が、あなたの前で停まった。
あなたが、呼んだわけではなかった。
運転手さんの気持ちがわかった。
道に、タクシーを待つ人が多いと、取り合いになる。
そうなると、運転手さんも、心苦しい。
あまりにお客さんが多いところでは、空車でも、迎車のライトに切り替える。
その運転手さんも、そうしていたに違いない。
ところが。
周りのお客さんたちが、必死で手を振る中、あなたはアイコンタクトしていた。
運転手さんと、目があっていた。
運転手さんは、手を見ていなかった。
あなたの目を見ていた。
そして、あなたの前で、停まった。
「お待たせしました」
周りのお客さんは、呼んだ人だと解釈しただろう。
運転手さんにだって、お客さんを選ぶ権利がある。
あなたは、感謝の微笑みを返した。
運転手さんは、幸せそうに微笑んだ。



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