#1087 生きものを、安心させる。
あなたの安心感が好き。
あなたと、「かわいい生きものミュージアム」に行った。
「どうぞ、テーブルにおかけください」
と、スタッフの方に案内されて、椅子に荷物を置いて、座った。
説明があるのかなと思っていると、テーブルの上で、何かが動いた。
気がした。
気がしたのでではなく、やっぱり、動いた。
テーブルの上に、フクロウの置物が置かれていると思った。
置物ではなく、本物だった。
おっと。
周りを見た。
そこらかしこに置かれている置物に見えていたものが、すべて本物だった。
置物ではなく、生きものだった。
完全アウェーだった。
見に来たつもりだった。
それは、覆された。
見られている。
完全に相手のホームだった。
これが、自然界だった。
動物園では、人間が見ている。
自然の森の中では、生きものが、人間を見ている。
人間は、見られる側の存在。
そんな時。
あなたは、堂々と、見られていた。
フクロウが、大きな目で、あなたを見た。
そして、あなたに、ウインクをした。
確かに、ウインクだった。
あなたが先にしたのか。
フクロウが、先にしたのか。
確実に、フクロウは、あなたに安心しているのが、わかった。
その空気感は、他の生きものたちにも、伝わった。
あなたは、人間だけではなく、生きものも安心させた。