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#1100 背後の気配を、感じて。

あなたの原始人の感覚が好き。
あなたと、表参道の裏の裏の道を歩いている。
あなたは、足音がしない。
さっきから、聞こえている足音は、私の足音。
きょろきょろしている私は、あなたの後ろを歩いていた。
それでも、はぐれることはなかった。
私が、何かを見つけて、立ち止まると、あなたも立ち止まった。
あなたは、後ろの気配を、感じている。
後ろを見ているのではない。
後ろを、感じている。
見ていると、気づかないことを、あなたは感じている。
私は、前ばかり見ている。
あなたは、円の中にいる。
上下もある。
あなたは、球の中にいる。
後ろで起こっていることも、全部感じている。
私が、何かを見つけたことも、感じている。
あなたに、前後はない。
上下もない。
そう言えば。
さっき、ランチをしたイタリアンでも。
後ろから料理が届くと、さっと会話を止めた。
後ろの人に、バースデーケーキが届けられる時も、会話を止めた。
あなたの角度からは、見えないはずだったのに。
あなたは、前よりも、後ろが見えている。
前を見ている私は、前も見ていない。
後ろを感じているあなたは、お店全体で、何が起こっているかを感じている。
あなたは、球に包まれている。
オーラがあるというのは、その人が感じている空間の大きさに違いない。
後ろに気配があるから、丹田に力が入る。
私は、前ばかり見ているから、腰で受けてしまう。
視覚情報があふれる中で、あなたは原始人の感覚を備えている。



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