» page top

#1107 もっと薄めに、もっと深く。

あなたの薄めが好き。
あなたが、キッチンで料理を作っている。
あなたは、料理をお父さんに学んだ。
お父さんは、仕事をしながらも、料理をする趣味人だった。
お父さんの教え方は、シンプルだったらしい。
「こうして、こうして、こうするだけでいい」
どんなレシピも、3工程で、説明した。
「ただ、気をつけることは、ここだけ」
注意点を、一つ付け加えるだけだった。
「調味料の分量は、目分量でいい」
あなたは、分量を見ない。
そもそも、レシピを見ない。
しかも、味見をしない。
見て、感じている。
そして、速い。
何よりも、速さを重視していると思えるほど。
速い時は、成功。
遅い時は、失敗と、感じている。
「できたよ」
もう?
美味しそう。
そして、美味しい。
そして、あなたも、ひと口。
味見をしていないので、本当のひと口目。
「うん」
あなたは、うなずく。
「今度は店」
今度は、もっと、こうしてみよう。
あなたは、考えている。
あなたの料理を食べた後、レストランで食べると、味が濃く感じる。
きっと。
あなたは、目指している。
今日のこの味を、もっと薄めにできないか。
今度は、もっと薄めにしてみよう。
薄めになるほど、あなたの料理は、さらに深くなる。



【中谷先生のおすすめ電子書籍TOP3】 紹介記事はこちらからどうぞ