#1115 ハブニングが、嬉しそう。
あなたの待ち時間の過ごし方が好き。
あなたと、絵本作家の展覧会。
私も、大好きな作家。
この人は、絵も可愛いけど、言葉が好き。
絵本作家である前に、詩人にちがいない。
自分の弱い所も、肯定してくれるのがいい。
別の見方を、教えてくれる。
去年の展覧会では、チケットが売り切れた。
今年は、事前に買っていた。
会場に着くと、行列ができていた。
整理券が、配られていた。
現在、14時。
あなたは、整理券をもらった。
「30分あるから、立て看板とか、楽しめるね」
あらっ?
あなたは、見間違えていた。
整理券の時間は、14時半ではなく、16時半だった。
あなたは、気づいた。
「あっ、16時半だった」
あと、30分ではなく、2時間半だった。
今日は、出直しになるかな。
私は、思った。
あなたの顔を見て、驚いた。
あなたは、嬉しそうな顔をしている。
2時間半待ちなのに。
「その間に、一緒に、行きたい所に行ける」
あなたは、プランBを持っていた。
2時間半待ちになったので、プランBに行くことできることを、あなたは楽しんでいた。
近くに、映画の博物館があった。
あなたが、大学生の時に通った博物館だった。
毎日、古い映画が日替わりで上映される。
あなたが、映画学科の大学生だった時代に、4年間の毎日をすごした場所だった。
あなたの青春の場所。
あなた就職した後、火事で焼けて、リニューアルしていた。
それ以来、初めて訪れる。
「神様から、プレゼントだね」
2時間半待ちは、神様から、私へのプレゼントだった。