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#1139 違和感を、撮る。

あなたの第六感が好き。
あなたと、金魚の展覧会に行った時の話には、続きがある。
私は、昭和の蛍光灯の中にいる金魚を見逃していた。
私だけではなく、誰もが見逃していた。
ちゃぶ台まわりにいる金魚に、目を奪われていた。
誰もが、ちゃぶ台にカメラを向けていた。
あなただけが、上の蛍光灯を撮っていた。
さすが、と思った。
ところが。
違った。
「蛍光灯の所に、金魚がいるのに、気づかなかった」
と、私が言った。
「えっ?」
と、あなたは、驚いた。
あなたの驚きに、私が驚いた。
「えっ」
あなたは。
蛍光灯の中に、金魚がいることに、気づいていなかった。
なのに。
あなたは、蛍光灯の写真を撮った。
誰一人、見もしていない蛍光灯の写真を。
これが、あなたなのだ。
あなたは、金魚が見えたから撮ったのではない。
あなたは、何かを感じたのだ。
あなたは、視覚で撮ったのではない。
第六感で、撮った。
見つけて撮るのは、凄い。
見つけられていないのに撮るのは、神業。
あなたは、ホームズ。
ホームズは、初見で、「何か変だ」と感じる。
直感。
違和感。
普通の人が見逃す感覚を、あなたは身につけている。
あなたが感じていないことを、私は感じている。
あなたの感覚に、驚ける私は、幸せを感じている。



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