#1148 紳士は、紳士に育てられる。
あなたの紳士の育て方が好き。
あなたと、山手線の中。
ある駅で、大勢の乗客が降りた。
お父さんと男の子が、乗ってきた。
男の子は、空いている席に、突進して、座った。
そこは、シルバーシートだった。
お父さんが、言った。
「そこは、お年寄りの席だから、座っちゃだめでしょ」
男の子は、一瞬、黙った。
「……」
お父さんの目を、じっと見つめた。
「早く」
男の子は、しぶしぶ立った。
次の駅で、その開いた席に、若者が座った。
その次の駅で、お年寄りが乗ってきた。
若者は、スマホのゲームに夢中だった。
男の子は、父親を見た。
父親も、スマホに夢中だった。
あなたは。
一部始終を見ていた。
あなたは、最初から気づいていた。
男の子が、座りたいから、座ったのではないことを。
男の子は、こうなることを、予測していた。
誰かが座ると、お年寄りが座れなくなることを。
男の子は、席を守って、お年寄りに譲る予定だった。
父親には、理解されなかった。
むしろ、楽をしていると誤解された。
父親は、お年寄りに気づかない若者と同じくらい、息子の気遣いに気づかなかった。
立っているのは、楽だ。
声掛けをしなくてもいいから。
あなたは、男の子と、アイコンタクトをした。
男の子は、あなたが理解してくれていることが、わかった。
自分の意図に気づいてくれる人を見つけた。
男の子は、あなたにちょっと微笑んだ。
あなたは、一人の紳士が、道にそれるのを救った。
あなたにも、かつて同じ出来事があったのかもしれない。
山手線の中に、二人の紳士がいた。





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