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#1186 いかにも、自然。

あなたの「いかにも自然」が好き。
今日は、あなたとホテルのビュッフェ。
お店に入ると、カニを食べている人がいる。
ランチの、しかもオープンしたてで、カニ。
たぶん常連さん。
カニをお目当てに来ている。
天ぷらを揚げている音を、あなたの耳は聞き逃さなかった。
「だいぶ、高温だね。きっと、おいしい」
高温で揚げるのは、なかなか難しい。
食材も、面白い。
エビとかぼちゃはわかるけど、ブロッコリーとリンゴもある。
ブロッコリーは、火が通っているのに、生で食べているような味わい。
それでいて、火が甘さを深めている。
リンゴは。
アップルパイのよう。
これを揚げるには、職人さんの腕と、食材の鮮度が勝負になる。
スイーツも、充実していた。
一人の御婦人が、「これ、取るの難しいわ……」と、苦戦していた。
ムースが、極端にまで、柔らかくしてあった。
しかも、前の人が取った時に、少し崩れていた。
「僕が、取りましょう」
あなたが、取ってあげた。
「これは、難しいですね。はい」
御婦人は、あたかもスタッフにしてもらったかのように、自然に受け取った。
スタッフと間違えているわけでもなかった。
そこが、すごい。
いかにも、自然に取ってあげた。
だから、御婦人も、甘えた。
御婦人は、ムースよりも、甘みにうっとりしていた。



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