#1191 あの少年は、あなた。
あなたのお好み焼きの食べ方が好き。
あなたと、お好み焼き屋さんに行く。
あなたは、お好み焼き屋さんで育った。
正確には、あなたの家の1階で、叔父さんがお好み焼き屋さんをしていた。
そのお好み焼き屋さんのカウンターで、お店の「少年マガジン」を読んでいた。
その「マガジン」は、1ヶ月たつと、もらえた。
「マガジン」の紙は、匂いを吸う。
お好み焼きの匂いを吸った「マガジン」が並べられたあなたの部屋は、お好み焼きの匂いだった。
あなたは、「マガジン」を読みながら、知らないうちに、お好み焼きの焼き方を覚えていた。
一人の時は、あなたはカウンターに座る。
子供の時と、同じように。
今日は、テーブル席。
目の前の鉄板の上に、料理が乗せられる。
まず、ネギ塩焼きそばが届く。
とりわけも、お箸を使わない。
コテで、さり気なく、とりわける。
焼きそばの触れ方が、優しい。
塩ラーメンのような繊細さ。
そして、ソース焼きそばが届く。
焼きそばの食べ比べをすることで、それぞれの良さが引き立つ。
ソースを付けすぎていないことで、麺の味を感じる。
出汁の深みもある。
「豚玉のお好み焼き」が届く。
お好み焼きの切り方も、軽い。
コテで、十字に切って、お皿に乗せてくれる。
コテをお箸のように使いこなしている。
豚肉の旨味が、生地に染み込んでいる。
「ねぎ焼き」が届く。
またしても、食べ比べ。
ねぎ焼きは、ネギだけかと思っていた。
いろんな海鮮が入っている。
スジ肉の出汁を吸い込んだこんにゃくが、美味しい。
その間も、会話を絶やさない。
安心できる。
お店の人が、見ている。
あなたが、「同業者」であることに、気づいている。
あなたも、カウンターで焼いている店長と、アイコンタクトを取っている。
あなたのコテが、綺麗に鉄板に並んでいる。
気がつくと、鉄板は、綺麗に掃除されたいた。
あなただった。
カウンターで、一人の小学生が、食べていた。
一人。
本を読んでいた。
あれは、あなただった。





断られた人が、夢を実現する。 【電子書籍】
楽しい人生より、人生の楽しみ方を見つけよう。 【電子書籍】
成功する人の一見、運に見える小さな工夫 ビジネスセンスを磨く55の気づきと行動【電子書籍】






