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#1201 天使の、位置で。

あなたの絵を見る場所が好き。
あなたと、展覧会に行った。
チケットを買って、中に入ろうとした。
「見てごらん」
あなたは、入口の所で、何かを見上げていた。
展覧会のポスターだった。
もう来ているのに、なんで。
「この位置に、貼ってあるって、流石だね」
入口の高い位置に、貼ってあった。
「当時の人は、このアングルで、見ていた」
そうか。
西洋の人は、絵画を教会で見ていた。
神様の絵なので、高いところに掲げられていた。
見る人は、下から見ていた。
画家は、下から見上げられて、不自然でないように書いていた。
マニエリスム絵画は「細長い」と言われる。
それは、低い位置で見てしまうから。
下から見上げると、細長くて、ちょうどバランスがいい。
中に入って、実物を見た。
意外に、小さい。
だけど、引き込まれる。
「なんか、はみ出てない?」
あっ。
はみ出ている。
そのおかげで、こちらの世界と、絵の中の世界が、つながっている。
印象派の絵があった。
人気がある。
ビギナーには、安心。
絵の前に、人だかりがある。
「ここから、見てごらん」
そんなに離れて。
えっ。
絵から、人物が、浮かび上がった。
そう言えば。
あなたは、いつも、離れて見ている。
混んでいる時も、涼しい顔。
あなたは、いつも、天使の位置で絵を見ている。



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