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#1203 気づかれない、優しさ。

あなたの気づかれない優しさが好き。
あなたと、ホテルビュッフェ。
美味しそうな料理が並んでいる。
あぶない。
興奮している自分が、いる。
温かい料理は、蓋が閉じている。
あなたは、蓋を開けて、私に見せてくれる。
ネームプレートの字も、読んでくれる。
それが、優しい。
蓋の開け方が、優しい。
蓋の閉め方も、優しい。
前の人の後ろに並ぶ時も。
「蓋は、そのままで、どうぞ」
と、優しく声をかける。
後ろに並んだ人にも。
「蓋、開けておきますから、どうぞ」
と、声をかける。
その人だけに、聴こえる優しい声。
アイコンタクトも、添えて。
料理を取りに行く時も。
「ここに、段差があるね」
と、教えてくれる。
料理が、どれも美味しそう。
その上、景色もいい。
つい、段差を忘れてしまう。
「ここ、滑るよ」
床に、誰かが何かをこぼしたのだろう。
確かに、そこだけ、滑る場所がある。
意識しないと、お皿を持ったまま、ツルリンとなってしまう。
なんでもない、ひと言。
そのひと言が、事故を防いでくれる。
なにもないことは、気づきにくい。
気づかれない優しさが、あなたの優しさ。



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