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#1219 主役より、おいしい。

あなたの卵かけご飯が好き。
今日は、あなたとすき焼き。
老舗のすき焼き店。
中居さんに作ってもらうのも嬉しいけど、銘々膳になっているのも、嬉しい。
午後から、仕事が入っている時は、うれしい。
最初の水菜の小鉢から、すでにお出汁がきいていて、盛り上がる。
お造りも、これだけで、お作り定食になる。
メインのすき焼きが来た。
お肉から行きたい逸る気持ちをぐっと抑えて、お豆腐から。
なんと。
お豆腐に、すき焼きのお出汁が染み込んでいる。
昨日のすき焼きのような染み込みのふかさ。
「ごはんに、ワンバウンド、していいよ」
お客様と同席ではないので、あなたが許可をくれた。
すき焼きは、ごはんへのワンバウンドが、おいしい。
お肉は。
しまった。
あまりの柔らかさに、飲み込む誘惑に、勝てなかった。
すぐ、飲み込んでしまった。
飲み込んだ後からでも、後味のドライブレコーダーが、蘇ってくる。
さてさて、ペース配分が難しい。
「ごはんの、おかわり、どうぞ」
これは、おかわり必至。
あなたが、おかわりをした。
私は、「半分で」とお願いした。
おかわりが届いた時、あなたのお鍋には、すき焼きが残っていなかった。
えっ、まさか。
あなたは、お鍋に残ったすき焼きの出しを、茶碗蒸しのお匙ですくって、ご飯にかけた。
お鍋のお出汁が、なくなるまでかけた。
その後に。
なんと。
残った卵を、その上にかけた。
なにも、残さない。
すき焼き出汁の卵かけご飯。
おいしいに、決まっている。
隣のテーブルの女性が見ている。
私も、マネをした。
しまった。
こんなことなら、ご飯を普通盛りにしておけばよかった。
えっ。
あなたが、特製の卵かけご飯を、私のお茶碗に入れてくれた。
自分で作ったのより、美味しかった。
すき焼きより、美味しかった。
銘々膳でも、食べ方で、味が変わることを教えてもらった。



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