#1226 生き返った、笑顔。
あなたの生き返った笑顔が好き。
あなたと今日は、バンジージャンプ。
300mの展望台の高さから。
VRだから、安心。
と油断していた。
300階の展望台に上がると。
高い。
「車が、走っているのが、見えるね」
あなたは、もう楽しんでいる。
私を、よりドキドキさせるために。
ミニチュアのような車が、走っている。
それを見ると、ますます、怖さのリアル感が湧いてきた。
これは、今まで見たVRと違う。
地平線が、遥か下に見える。
まず、あなたが、先にやってくれた。
一人ずつ。
あなたは、楽しそう。
どんな世界が見えているのか、わからない。
あなたは、ゼニアの黒のスーツのまま。
007だった。
今度は、私の番。
サーフボードのような台が、立っている。
その台に、両足を乗せる。
両手で、2時と10時の位置にある取っ手を握る。
ゴーグルを付ける。
足首に、スタッフの女性が、つけてくれた。
地上300メートルの景色が見えた。
前も、後ろも、見えた。
どこまでも、映像があった。
下も。
車が、走っているのが、見えた。
「それでは、行ってらっしゃい」
屋上から、外にレールが伸びている。
そこに、進んでいく。
振動が来る。
この振動は何。
レールの端っこまで、来た。
後悔した。
なんで、やるって言ってしまったんだろう。
3・2・1・バンジー。
ワーッ。
300m上空から、真っ逆さまに、落ちていった。
真下を走っている車にどんどん近づいていった。
地面に当たる直前。
ギリギリで、止まった瞬間、再び、引き上げられた。
そうだ、バンジーはバウンドするんだった。
何度も、上下を繰り返した。
「おかえりなさい」
あなたも、スタッフも、笑っていた。
気がつくと、見物客の人が集まっていた。
きっと大きな声で、叫んだに違いない。
みんな、笑っていた。
あなたも、笑っていた。
私も、笑っていた。
あなたに、言った。
「もう一回、やっていい」





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