#1229 聴こえない、会話。
あなたの聴こえない会話が好き。
あなたと、新幹線の駅の構内のフードコート。
電車までの時間が、少しだけある。
そのフードコートには、何軒ものお店が入っている。
それぞれに、少しだけ席があり、お店が取り囲むように、中央に食べる用の席がある。
食べ終わったトレイは、セルフで片づけるコーナーがある。
スタッフの女性がいて、済んだトレイを受け取ってくれる。
いつも、賑わっている。
一か所、死角になっている席がある。
見えにくいので、そこが空いていることが多い。
あなたは、いつもその席に座る。
今日は、いつにもまして、賑わっていた。
いつもの死角の席ですら、埋まっていた。
席がなくて、諦めて出ていく人もいる。
電車の時間まで余裕のある人は、まったりしている。
食べ終わってから、スマホタイムになっている人もいる。
さすがに、今日は、ムリかな。
お弁当を買って、新幹線で食べる作戦かな。
その時、声がした。
「お客様、席、空きました」
あなたのことだった。
トレイを引き取ってくれる女性が、たった今、立ったお客さんのテーブルを拭いてくれていた。
明らかに、あなたのために取ってくれていた。
通常は、「お席を確保してから、ご注文ください」と、声をかけている。
あなたは、そんなに頻繁に利用しているわけではない。
あなたのことを、知っているわけでもない。
声をかけてもらえた理由は、たった一つ。
感じがいいから。
トレイを返す時の声かけ。
待つ間のたたずまい。
フードコートでのマナー。
大勢のお客様を、毎日見ているプロだからこそ、違いに気づく。
そう言えば、スタッフの女性に声をかけられた時も、
「うれしい。助かりました」
と、あなたは彼女に言った。
その後、彼女が何かを言った。
それに対して、あなたも何かを返した。
聴き取れなかったけど、これが感じよさの秘密だった。





断られた人が、夢を実現する。 【電子書籍】
楽しい人生より、人生の楽しみ方を見つけよう。 【電子書籍】
成功する人の一見、運に見える小さな工夫 ビジネスセンスを磨く55の気づきと行動【電子書籍】






