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#1238 1920年、上海で。

あなたと行く中国が好き。
あなたと、中華街。
大通りは、観光客で、初詣状態。
お昼の11時だというのに、もう行列ができている。
大通りから、脇道が広がっている。
あなたは、脇道に入った。
脇道は、大通りとは違った。
お店の人の客寄せの声が、左右から聴こえてくる。
車は1台ですら通れないくらい細い。
その両側に、中華料理の店が、びっしり並んでいる。
聴こえてくるのは、中国語と日本語のちゃんぽん。
日本の中華街というより、中国の日本街かと錯覚してしまう。
あなたは、一軒のお店の入口の若い店員さんに、声をかけた。
若者は、インカムで、店の中に話した。
そして、あなたを手招きした。
もはや、その光景は、1920年代の上海の租界だった。
スタッフは、日本人は、一人もいなかった。
ここで生まれ、育ち、を何代も繰り返していた。
中国の人の逞しさを感じた。
カタコトの日本語は、ぶっきらぼうにも、聞こえる。
あなたが、オーダーしてくれた。
上海焼きそば。
おいしい。
これが近所にあったら、毎日来てしまう。
北京ダック。
皮のカオヤーピンが、薄いのにモチモチ。
タレのテンメンジャンは、このままご飯にかけたいくらい。
もはや、北京ダックは、要らない。
カオヤーピンに、テンメンジャンをつけるだけでいい。
ムースーローは、豚肉が、薄くて柔らかい。
豚肉が固くなりやすいのに、驚かされる。
マンゴプリンは、マンゴの果肉の歯ざわり感がいい。
このお店をあなたは、どうやって見つけたの。
もちろん、いつものように、動物的嗅覚で、選んだにちがいない。
帰り際、ぶっきらぼうのママさんと、あなたは何か話していた。
そのママさんが、今日一番の笑顔になった。
やっぱりここは、1920年代の上海だった。



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