#1247 そんなんで、いいの。
あなたのしごかれ方が好き。
あなたと、十和田の現代美術館に来た。
大きなおばさんに、出会いたかった。
大きい。
想像以上に、大きい。
天井につきそうで、頭をかしげているくらい。
天井も、作品の一部。
入口も、出口も、小さい。
あなたは。
大きなおばさんを見つめていた。
正確には、見つめられてた。
見ている姿勢ではなかった。
「気をつけ」の姿勢だった。
叱られているようだった。
あなたのこの写真を、見たことがある。
あなたが、小学生の時の家族旅行の写真。
有馬温泉のプール。
夏休みの家族旅行のプールの雰囲気の写真ではなかった。
あなたが、お母さんにしごかれているような写真だった。
水着のお母さんは、仁王立ちして、あなたを見下ろしていた。
「そんなんで、いいの」
と、お母さんは言っているみたいだった。
今、大きなおばさんの前のあなたは、まさにその瞬間だった。
あなたは、常に、この声を聞いているに、違いない。
「そんなんで、いいの」
大きなおばさんの背中に回った。
厳しいおばさんの背中は、優しいお母さんだった。





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