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#1250 モノより、人を見てる。

あなたの観る所が好き。
あなたと、メキシコ料理のお店。
「メキシコ料理が食べたい」という私のオーダーを聞いてくれた。
ニューヨークにお店がある、その日本支店。
入口からして、スタイリッシュ。
未来的なインテリア。
お店に入る。
店内も、スタイリッシュ。
メキシコ料理なので、西部劇に出てくるようなお店を想像していた。
または、『リメンバー・ミー』に出てくるような素朴な世界。
まったく、違っていた。
そんなことに、目を取られているうちに、やってしまった。
またしても、見逃した。
巻き戻し。
キュルキュルキュル。
お店に、入る所から。
お店に入った時。
レセプションで、まだ名前を名乗る前に。
お店の中のスタッフが、「あっ」というリアクションをした。
それに、あなたは気づいて、リアクションを返した。
「覚えてらっしゃいますか」
ウエイターさんは、言った。
「もちろん。約束したからね」
あなたは、彼が前のお店にいた時、「今度、新しいメキシコ料理のお店に行く」という話を聞いた。
「行くね」
と、あなたは、約束をした。
私が、「メキシコ料理を食べたい」と言った時、あなたは思い出した。
約束を、果たした。
彼は、感激していた。
そんな感動的なやり取りを。
私は、まるで気づかずにいた。
インテリアを、見ていた。
厨房から香る香辛料の香りに、気を取られていた。
あなたは、インテリアよりも、料理よりも、人を見ている。
どこに行っても、人を見ている。
それが、あなたの視野の広さ。
あなたの優しさ。



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