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#1253 あなたに、観られる幸せ。

あなたの映画の観方が好き。
あなたと、映画の試写会に来た。
なかなか、チャレンジングな作品だった。
こういう映画は、コメントが難しい。
賛否が、分かれる作品でもある。
帰り口で。
配給会社の人が、あなたに声をかけた。
「いかがでしたか」
やっぱり、そうなるでしょ。
私が聞かれていたら、お茶をにごさなければならなかった。
あなたは、ニコニコ笑っていた。
「面白かった」
配給会社の人は、ホッとした顔になった。
内心、心配している。
「面白かったのはね」
あなたが、面白かった場面を、話す。
あなたの話を聞いていると、確かに面白い。
同じ映画を、観たはずなのに。
あなたの感想を聞いて、初めて面白くなった。
「それから面白かったのは」
あなたは、2つ目の面白かった場面を話した。
たしかに、その場面は覚えている。
でも、そんな解釈は、思いもよらなかった。
配給会社の人は、食い入るようにあなたの話を聞いている。
「それから、面白かったのは」
そんな細かい所は、まったく見逃していた。
「映画評、ぜひお願いします」
「喜んで」
そう言えば。
あなたは、映画を観て「イマイチ」と言ったことがない。
きっと、イマイチの作品もあるはずなのに。
あなたは、映画を面白いかどうかでは、観ていない。
その作品の面白い所を、探している。
一つ見つけると、2つ見つかる。
そして、次々と見つかる。
あなたに観られる映画も、幸せ。



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