» page top

#1262 ニンニク風味の私も。

あなたの敏感な嗅覚が好き。
あなたと、老舗の中華料理店。
ビルの建て替えで、しばらくお休みだった。
以前は、昭和下町の店がまえだった。
周辺一帯の再開発で、お休みをしていた。
東西二塔のインテリジェントビルが建った。
その一角で、お店は再開した。
モダンなインテリジェントビルの中とは思えない、昭和下町の風情だった。
それもまた、SF的でもあった。
映画『ブレードランナー』に出てくる屋台のようだった。
冷たいビルの中に、温かさをかもし出していた。
新築の匂いに混じって、懐かしい中華だしの香りがした。
売りの餃子の匂いもしていた。
最近、ニンニクなしのお店が増える中で、このお店は、ガッツリニンニクなのがうれしい。
「クリニックが、あるのかな」
クリニック?
あたりに、見当たらなかった。
2階のフロアは、レストラン街だった。
フロアマップを、見た。
なんと。
クリニックが、8階に入っていた。
あなたは。
2階にいながら、8階から、エレベーターを通して運ばれたクリニックの匂いを感じていた。
しかも、強烈な餃子の匂いにも、騙されず。
前も、そんなことがあった。
あなたが鋭いのは、耳だけではない。
嗅覚も、動物のよう。
クリニックの匂いまで、味わっている。
あなたに嫌いな匂いは、ない。
すべて、個性として、味わっている。
あなたは、ニンニク風味の私の匂いも、味わってくれる。



【中谷先生のおすすめ電子書籍TOP3】 紹介記事はこちらからどうぞ