#626 妄想の世界に、連れて行って
あなたの、質問をしないところが好き。
あなたと話してると楽しい。
あっという間に時間がたつ。
もう、こんな時間。
窓の外が白み始めていたこともあった。
なんで、こんなにあなたとの話が楽しいのか。
もちろん、あなたの体験談は面白い。
これは仕方がない。
普通の人が体験していないことを体験している。
あなたの気づきも面白い。
普通の人が通り過ぎるところを、あなたは目を留める。
面白い話は、どこが面白いか気づくのが難しい。
今日、仕事で、お話上手という人に会った。
全く詰まらなかった。
質問だらけだった。
質問されると、めんどくさい。
いちいち現実に引き戻される。
「相手の話を、聞くのがコツ」というのを、「相手に質問する」こと、と真面目なその人は解釈したに違いない。
悪い人ではないのだけど。
気づいた。
あなたは質問をしない。
あなたは共感してくれる。
あなたは感情移入してくれる。
あなたは想像してくれる。
想像を通り越して、妄想してくれる。
質問する代わりに、妄想を膨らませてくれる。
あなたの会話は、妄想会話。
妄想が妄想を生む。
無限に妄想が膨らんでいく。
妄想を広げるというより、止め方が分からなくなっている。
それが楽しい。
私は、あなたの妄想の世界に連れて行ってもらえる。
妄想の世界に、質問なんて野暮なものはないのね。