#637 何をしていても、旅
あなたの旅が好き。
あなたと食事をする。
食事をしている感覚ではない。
旅をしている感覚に襲われる。
都会の真ん中なのに、リゾートにいる気分になる。
都会から、はるか離れたところ。
しかも、初めて行ったところ。
日本なのか外国なのか分からない。
夢なのか現実なのかも分からない。
ひょっとして、あの世かもしれない。
気がつかないうちに死んでいて、あの世にあなたと旅立ったのかもしれない。
それなら、それでいい。
むしろ、幸せ。
どこに行こうが、あなたと一緒にいることができる。
あなたと一緒にいることは、あなたと旅をすること。
冒険のようでもあり。
お茶会のようでもあり。
一緒にカフェラテを飲むときでも、旅をしている気分。
一緒に道を歩いているときも。
一緒に地下鉄に乗っているときも。
一緒に部屋の中にいるときも。
部屋の中で話しているだけなのに、旅をしている気分。
ベッドの中で、話をしているときも。
あなたは旅人。
何をしているときでも、あなたは旅をしている。
旅行ではなく、旅。
庭を歩くときも。
ベンチに座っているときも。
美術館で1枚の絵を眺めているときも。
あなたは旅をしている。
そして私は、あなたといるとき、旅をしている。