#643 女性よりも、女性らしい。
あなたの、女性らしいしぐさが好き。
あなたと歌舞伎に行った。
女形が美しかった。
女性がかなわない美しさだった。
お芝居を見ている間、ずっと想像していた。
女形に、あなたを重ねていた。
立役も二枚目役も出てくるのに、なぜかあなたを女形に重ねていた。
もし江戸時代に、あなたが女形だったら。
きっと人気が出たに違いない。
あなたのふだんのしぐさの中に、女形のしぐさを感じる。
それが、品の良さと出過ぎない色気になっている。
女形があなたなのか、あなたが女形なのか。
江戸時代、女形は男役より人気が高かった。
男性からも女性からも、モテた。
あなたが女形だったら。
それは、大変。
入り込むのが、なかなか大変なことになる。
それは、今も同じ。
あなたは、女性からだけでなくて、男性からもモテる。
あなたと食事をしていると、言われる。
「いいですね、こんな素敵な男性と食事ができて」
それだけなら、リップサービスだけど。
「僕も食事に誘われてみたい」
もはや、リップサービスを越えている。
その目は、女性の目になっている。
「男性が見ても、色気がありますからね」
あなたは、ますます忙しくなる。
競争相手が増えると言いながら、私はうれしい。
分かってくれる人がいるということが。
あなたと一緒にいると、女性らしいしぐさを学ぶことができる。
性差を超えて、美を追究しているから。
あなたをまねして学んでいたことに、気づいた。