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#655 同時に、かわいい。

 あなたの「かわいい」が、好き。
 カフェで、あなたと話をしている時、気づいた。
 けっこう、私は、くだらない話をしている。
 自分でも、思う。
 落ちもない。
 それでも、あなたは、くだらない話につきあってくれる。
 面白い話につきあうのは、簡単。
 くだらない話に、つきあうのは、なかなか根気がいる。
 しかも。
 つきあっているというだけでなく、楽しんでくれる。
 一緒に、くだらない話に、はしゃいでくれる。
 くだらない話を、面白い話にしてくれる。
 話が、途中で、別の話になっても、ついてきてくれる。
 話してる最中に、したくなる話を思いつく。
 今している話の続きより、思いついた話を、今しておきたくなる。
 そんな時。
 あなたは、話を戻したりしない。
 今まで聞いてきた話の続きはどうなった、と言わない。
 さっきまでの話をさっぱり捨てて、思いついた話に、つきあってくれる。
 さっきまでの話に、戻らなくても、聞いて損した顔をしない。
 これって、凄いこと。
 なかなか、そんな人はいない。
 聞いていないわけでもない。
 ちゃんと、驚くべき所で、一緒に驚いてくれる。
 前の話も、覚えていてくれる。
 くだらない話を、あなたの大事な頭脳に置いておくのはもったいないのに、置いていてくれる。
 隣のテーブルに、女の子が5人で話していた。
 女の子5人の話は、3つくらいの話題が、あっちへ飛び、こっちへ飛びする。
 女の子の会話も、あなたはうるさいと言わない。
 ある瞬間、「かわいい」と5人がユニゾンした。
 その時、私は、聞き漏らさなかった。
 あなたは、同時に小さな声で、「かわいい」と囁いた。
 あなたの脳の中で、女の子と同調するセンサーが、作動していた。
 そんなあなたが、かわいい。



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