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#675 この先の道を、見つめている。

 あなたの先の見つめ方が、好き。
 美術館で、あなたは見るのが速い。
 そんな中で、時々、立ち止まる。
 じっと、見つめる。
 1時間いたら、59分は、1枚の絵を見つめている。
 これが、あなたの生き方。
 1枚を、見続ける時の、あなたの目が好き。
 あなたは、もはや、その絵を見ていない。
 絵の先にある、遥か彼方を見ているみたい。
 絵は、扉。
 未来につながる、扉。
 絵と、会話しているようでもある。
 絵の中に、入っていっているようでもある。
 絵は、あなたにとって、扉。
 未来への扉。
 冒険への扉。
 絵は、あなたのどこでもドア。
 どうやって、その扉を見つけるのかな。
 あなたに、聞いた。
「見つかるんじゃなくて、見つかってしまうかんじ」
 それは、まるでいたずらを見つけられるような言い方。
 あなたは、見続けているのではない。
 離れられなくなっているだけだ。
 59分見続けたとしても、あなたにとっては、1秒にしか感じていない。
 運命の絵。
 運命の人に出会ったような。
 それなら、わかる。
 あなたに初めてあった時、私はあなたを見続けた。
 この感じ。
 思い出した。
 あなたは、私を見続けてくれた。
 あなたは、あなたと私の未来を、見ていた。
 だから、一生の、おつきあいになった。
 この先も、道は続いている。



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