#709 アイデアが、あなたを目覚めさせる。
あなたの目覚め方が、好き。
目が、覚めた。
あなたの腕の中。
幸せな時間。
あなたは。
眠っている。
深い呼吸。
どこまでも、どこまでも、深い呼吸。
宇宙を吸い込むような呼吸。
海の底まで、吸い込まれていくような呼吸。
あなたの胸の上で。
あなたの呼吸の上下運動を味わう。
あなたは、眠りながらも、私をかわいがってくれる。
あなたが、目を覚ます。
こんな目の覚まし方を、私はしたことがない。
見たこともない。
パッと、目が覚める。
目が覚める時の、ウトウトがない。
スパイ映画のスパイが、目を覚ます時の感じ。
私が、あなたの胸の上下運動を味わいすぎて、起こしてしまったのか。
そんなこともないみたい。
安心。
あなたは、目覚めた瞬間から、何かを考えている。
何かを見つめている。
遠くの景色を。
イメージを追いかけている。
アイデアを、楽しんでいる。
違う。
目が覚めて、アイデアを考えているのではない。
アイデアが、あなたを目覚めさせたのだ。
あなたは、眠っている間も、アイデアの宇宙を飛び回っている。
アイデアの渦巻が、ぐるぐる回りながら、繋がり合って、新しい星を生み出す。
それが、あなたのアイデア。
そのアイデアが、あなたを目覚めさせる。
それでも、あなたが動かないのは。
味わっている私への、優しさから。