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#716 身内扱いの、エコヒイキ。

 あなたのエコヒイキが好き。
 あなたとスイーツのお店。
 小さなホールケーキ。
 あなたと、女の子3人。
 いつものように、あなたが取り分ける。
 取り分けの鮮やかさを、いつも店長が見ている。
 ケーキの上に、イチゴが一つ。
 チョコレートが、一つ。
 あなたがケーキを、十字に切り分ける。
 チョコの乗ったケーキ。
 イチゴの乗ったケーキ。
 なにも乗っていないケーキが、二つ。
 さて、どう分けるか。
 つまらない男性は、イチゴもチョコも、三等分する。
 好きなのを取って、責任放棄するのも、つまらない。
 あなたは、そんなことはしない。
 何も乗っていないケーキを、まずあなたが取る。
 女の子が、どれになるか、ハラハラしている。
 チョコが乗ったケーキを、チョコ好きの女の子に。
 イチゴが乗ったケーキを、イチゴ好きの女の子に。
 何も乗っていないケーキを、私に。
 嬉しい。
 みんなが、喜んでいる。
 私は、エコヒイキ好き。
 エコヒイキは、プラスすることだけじゃない。
 マイナスするエコヒイキもある。
 エコヒイキは、特別扱い。
 プラスのエコヒイキより、マイナスのエコヒイキが上。
 身内扱い。
 チョコも、エコヒイキ。
 イチゴも、エコヒイキ。
 何もないのも、エコヒイキ。
 他の子が、ちょっと、何もないケーキを、うらやましそうに見ている。
 結局、また、みんなに愛されてしまった。



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