#747 むしろ、ラッキー。
あなたのミスへの対応が、好き。
あなたと、レストランに入った。
プリフィックスのお店。
前菜を2皿。
メインを1皿、選ぶ。
メニューが、多い。
迷うのが、楽しい。
あなたは、迷わせてくれる。
早く決めて、という気配を出さない。
あなたは、私が頼むメニューを、見抜いている。
前菜3皿の最終決戦。
このうち、2皿。
どの料理も、気になる。
好きなものと、季節限定と、珍しいもの。
その時、あなたが、ウエイトレスさんに言った。
「たとえば、メインを前菜に切り替えて、前菜3皿でも、いい?」
そう。
それを、相談できるか聞いて、という前に、聞いてくれた。
「聞いてまいります」
ウエイトレスの女性は、新人さんだった。
ドキドキしているけど、天然の明るさがある。
新人のドキドキしてるウエイトレスさんにも、あなたは優しい。
「大丈夫です」
ウエイトレスさんは、言った。
あなたと、私は、違う3種類ずつオーダーした。
料理が届いた。
あら?
あなたに届いた料理は、なんだろう。
たしか、違うものを頼んだはず。
そんな時、あなたはニコニコしている。
私が、「あっ」って言ってしまった。
彼女はそれに気づいて、「違いますか」と言った。
「他のテーブルのでなければ、食べていい?」
あなたは、優しく言った。
きっと、あなたに見とれて、間違ったに違いない。
あなたは、美味しそうに、食べていた。