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#748 タメ口に、ニコニコ。

あなたの、トーン合わせが好き。
 近くに、新しいお店が出来た。
 新しいお店を見つけると、あなたは入る。
 あなたが行きたいというより、私が気になっていることに、気づいてくれる。
 この日も、違うお店に行く予定だった。
 オープンしているのを見て、あなたは、作戦変更。
 花輪が、並んでいる。
 入り口に、待っている人用の椅子があった。
 芸能人からの、花輪。
 その花輪の写真を撮っている人がいる。
 待っている人がいたけど、あなたは入った。
 帰る人がいる流れを見ていた。
 カジュアルなお店だった。
 予約をするお店ではなさそう。
 予約の名前を書くボードは、なかった。
 あなたは、座っている間も、ニコニコしている。
 そして、気品がある。
「名前とか、書かなくて、いいんすか」
 あなたの後ろの若者が、聞いた。
 タメ口だった。
 あなたに、こんなふうに話しかける人がいることに、驚いた。
 二人組の、M1に出てきそうな若手芸人のような雰囲気の二人組みだった。
「書かなくて、いいみたいだよ」
 あなたも、タメ口で返した。
 友達?
 と思いたくなるような、同調感。
「あっ、すいません」
 若者が気づいて、謝った。
 あなたが誰かはわかっていない。
 タメ口で話しかける人ではないことに気づいた。
 良い青年だった。
「進んでるから、すぐだと思うよ」
 あなたは、若者にも、優しかった。
 中に入ってから、さっきの若者が、照れながらあなたに会釈した。



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