#754 一緒に、感じて。
あなたの笑い始めが好き。
今日も、恥ずかしい失敗をした。
あなたに、話したくて、ウズウズしていた。
「あのね、今日、また、恥ずかしいことをしたの。それがね……」
話し始めた。
話し始めた瞬間、いってしまった。
えっ。
自分でも、びっくりした。
あまりにも、面白すぎて、自分で笑いがこみ上げてきた。
笑いが止まらなくて。
あなたには、まだ、なにも話せていない。
私一人が、笑い転げていた。
ごめんなさい。
あなたを、見た。
あなたは、笑っていた。
なんで。
私は、まだ何も、話していないのに。
話を聞いて、笑ってくれるのは、わかる。
話を聞いていないのに、笑ってくれている。
普通は、「ちゃんと、話して」と叱られるところ。
あなたは、一緒になって、笑ってくれている。
しかも、爆笑してくれている。
話を聞かなくて、こんなに爆笑できるなんて。
そう言えば。
あなたは、笑い出すのが、いつも早い。
「今日ね」
と私が言った時、あなたはもう笑い始めている。
笑える話だけじゃない。
「今日、怖いことがあったの」
という時も、怖がる顔になってくれている。
「今日」と言うだけで。
あなたは、話に共感してくれているのではなかった。
私の、気持ちに共感してくれていた。
共感って、すごい言葉。
一緒に、感じるって。
あなたの共感に、私は、いってしまった。