#757 いつのまにか、あなたが。
あなたの「いつのまにか」が、好き。
あなたと、アフタヌーンティー。
紅茶のメニューが、届く。
こんなに種類がある。
「紅茶は、ポットですか、カップですか」
あなたが、ウエイターさんに、聞いてくれる。
紅茶は、ポットだった。
あなたは、2種類の紅茶を頼んだ。
三段のティースタンドが届く。
まずは、セイボリーから。
2つのティーポットが届いた。
あなたが、私のカップと、自分のカップに注いだ。
香りが、立ち上がった。
ダージリン。
カップの半分くらいに注がれた。
ポット一杯で、カップ二人分。
ちょうど、いい感じ。
お隣のテーブルのカップルは、ダージリンを2杯頼んでしまっている。
アフタヌーンティーは、なれた人とであることが、第一条件。
アフタヌーンティーだけじゃない。
食事も、ベッドも。
気がつくと、2杯目を注いでくれている。
ベルガモットの香りが、広がる。
アールグレイ。
いつのまにか。
3杯目と4杯目の紅茶のおかわりをしてくれている。
あなたといると、「いつのまにか」が、多い。
次々と、ティーポットが届く。
なのに。
テーブルの上は、全く渋滞にならない。
空いたティーポットと、まだ入っているティーポッドが、きちんと分かるようにあなたが並べてくれている。
お隣のテーブルでは、大混乱になっている。
気がつくと、私はこの日、12種類の紅茶を味わっていた。
私史上、新記録だった。