#763 思い浮かべると、動いた。
あなたの眉が、好き。
眉の動きが、好き。
あなたの眉は、ディズニーアニメくらい動く。
そこから、気持ちが伝わる。
鏡を、見ながら眉を動かしてみた。
あなたのように、自由自在に動かない。
眉を動かそうとすると、目に力が入ってしまう。
眉を動かすのではなく、目を動かすことになってしまう。
あなたは、目を動かさずに、眉だけ、動かすことができる。
「あなたの眉は、お母さんに、そっくり」
と、小学校の図画の先生に言われた事があると、あなたは言っていた。
「大人になると、父親の眉の動き、そっくりになってきている」
と、あなたは言った。
マスクをしていると、ますます、あなたの眉が印象に、残る。
アイコンタクトではなくて、眉コンタクトだった。
もし、テロリストの人質になっても、あなたと眉コンタクトで、すべてのやり取りができる自信がある。
あなたの眉の動きで、あなたの伝えようとしているメッセージが、わかる。
「小学生の時、学校の行き帰りで、アラン・ドロンの眉の動きをマネしていた」
そんなあなたは、小学生の時から、アラン・ドロンだった。
小学生の時から、あなただった。
自分では、動かせない。
どこに、力を入れればいいか、わからない。
「練習すると、できるよ」
小学生の下校中のあなたのアラン・ドロンを思い浮かべた。
かわいすぎる。
あっ、今、動いた気がした。
そうか。
力じゃない。
思い浮かべればいいんだ。
鏡を見るより、あなたを思い浮かべることで、私の眉が動き始めた。