#766 暗闇でわかる、優しさ。
あなたと闇の中を歩くのが、好き。
あなたと、闇の中を、上がっていった。
もはや、ギャラリーと言うより、ビックリハウス。
あなたの手を、握る。
あなたの手を握っていれば、どんなところにも行ける。
闇の中で握ったあなたの手は、優しかった。
どんなシートベルトよりも、安心。
あなたの手がそこにある限り、断崖絶壁でも、歩ける気がする。
どこまでも、闇の中。
私の目は、見えるものを、探している。
自分自身の手も、足も、見えない。
頼りは、あなたの手。
あなたの手も、見えない。
でも、握っていることは、確か。
あなたの手の先に、あなたが、いる。
もしも、この手が、あなたとは違う人の手だったら。
ホラーな想像をした。
あなたが、全く違うところから、私に声をかける。
ということは、私は、さっきから、誰の手を握りしめていたのか。
大丈夫。
あなたの手は、見なくても、わかる。
大きさでも、温度でも、柔らかさでも、ない。
やさしさ。
暗闇の中で、あなたの手の優しさに、あらためて、気づいた。
恋人同士で、ぜひココは、おすすめ。
暗闇で手を握って、安心できなかったら、その人とは、離れたほうがいい。
暗闇の中で、手を握って、どこにでも行けるなら。
その人とは、どこまでも、行ける。
宇宙の果てまで、行ける。
ひょっとしたら。
ここは、もう宇宙かもしれない。
あなたの手を握りしめて、階段を登っているうちに、宇宙まで来てしまったかもしれない。
ふんわりとした、暖かさを感じた。