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#772 実は、お姫様。

あなたの外国の人への接し方が、好き。
あなたと、エスニックのレストランに入った。
私も、あなたも、初めてのお店だった。
ウエイトレスの女性が出てきた。
ひと言で、留学生の人だとわかった。
ただ、何語なのかが、私には、わからなかった。
どうも、日本に来て、日が浅い感じであることは、わかった。
英語でも、中国語でもない。
このエスニック料理のお国でもないことは、わかった。
こんな時、あなたは、優しい。
いつにもまして、優しい。
言葉の通じない異国で、頑張っている姿に、リスペクトを感じる。
エールを送る。
もはや、やり取りは、言葉ではない。
テレパシーになる。
彼女が、一生懸命、料理を説明する。
あなたは、彼女が言っていることを、受け止める。
彼女がわかりやすいように、オーダーをする。
ほとんど、言葉を使っていない。
彼女が、感じのいい人であることがわかる。
気品も、漂っている。
日本に来たてなのに、お店に採用になったのは、彼女の心の優しさのせいだったに違いない。
よく見ると、エキゾチックな美人さん。
東洋と西洋が、いい感じのブレンドになっている。
砂漠の国のお姫様にも、見えた。
この気品は、お城で身につけた気品にちがいない。
お姫様が、笑った。
あなたの優しい対応に、ほっとしたのだろう。
すこし、目が潤んだようにも、見えた。
お姫様は、ますます美人さをあらわにした。
日本に来て、続いていた緊張が、あなたの優しさに会って、初めてホッとしたようにみえた。
オーダーのやり取りをしているだけなのに、もっと深い話をしているように見えた。
なんともいえないいい空気が、流れていた。



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