#773 巻き込まれず、悠々と。
あなたの悠々が、好き。
あなたと、新幹線で移動。
車内アナウンスが、入る。
大雪で、遅れる模様とのこと。
駅が、いつになくザワザワしていたのは、そのためだった。
車内も、ザワザワする。
おのおの、スマホでチェックしている。
こんな時。
あなたは、悠々としている。
あなただけ、早く着くような気配が漂っている。
自分が、ザワザワしているのが、恥ずかしくなる。
あなたが悠々としているので、安心してくる。
私を、安心させるために、悠々としてくれているのかもしれない。
この後のスケジュールが、ないわけではない。
誰よりも、あなたは忙しい。
今、あたふたしても仕方がないと、でんとかまえている。
イラッとさせる人に接しても、巻き込まれないのに似ている。
電車も、たまには遅れたい時があるだろうと、あなたのテレパシーを、感じる。
ニコニコ、本を読んでいる。
ニコニコ、私の話に付き合ってくれる。
地球に間借りしている側。
大雪にも、台風にも、文句を言わない。
鉄道会社の人は、大変だろうな。
ありがたい。
日本の鉄道は、世界一、安全で、遅れない。
1時間、遅れたら、なんとかすればいい。
そんなやり取りが、アイコンタクトで伝わる。
あなたといると、悠々としていることができる。
あたふたしている人と、関わりがなくなる。
今日は、京都で、職人さんに会う約束のはず。
初めてお会いする方。
そう言えば。
予定より、1時間早い電車に乗っている。
あなたは、悠々と、段取りしている。