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#776 オーダーを、人で選ぶ。

あなたのオーダーの優しさが、好き。
あなたと、お茶菓子のお店に入った。
靴を脱いで上がる。
お床があり、炉が切ってある。
お床には、季節の設えがある。
坪庭が、見える。
坪庭にある石も、大きい。
スタッフの人は、お茶のお稽古着を、着ている。
お茶のメニューは、焙じ茶・お薄茶・お濃茶。
お濃茶があるのは、珍しい。
お菓子は、季節のお菓子と、定番の主菓子。
あなたは、季節のお菓子をオーダー。
一瞬、お床を見て、選んだ。
食べたいもので、選ばないところが優しい。
お茶は。
お濃茶。
これは、私のテレパシーを感じてくれた。
珍しいお濃茶を、見ていた。
あなたが、お濃茶をお願いすると、スタッフの人の目が、光った。
なかなか難度の高いお濃茶を頼んでくれる人がいない。
頼まれても、味のわからない人だと、切ない。
味が分かる人に、頼んでもらえるのが、スタッフの人にとっては、嬉しい。
実は、その人は、若いけど、店長さんだった。
あなたは、気づいていた。
あなたは、お濃茶を頼んだのは、店長さんへの優しさだった。
あなたは、闇雲に質問しない。
質問する人と、世間話をする人に、分けている。
相手が、どれくらいそのことに関心があるのかを、一瞬で感じ取る。
関心のない人に、質問をしない優しさ。
関心のある人に、質問をする優しさ。
二服入りのお濃茶は、濃厚でした。
あなたといただく、濃厚な時間を味わいました。



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