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#783 寝てて、いいよ。

あなたの動物とのお話が、好き。
あなたと、水族館に行った。
魚の色鮮やかさに、驚かされた。
人工的に作られた色みたいだった。
いやむしろ、人工では、こんな色をつくることはできない。
どんなに頑張っても、この色は、この魚にしか出せない。
エビは、ミニチュア模型のように見えた。
ひょっとして、模型もあるのか。
本物と、模型が、混ぜてあったら。
いろんな想像を、掻き立てられた。
自然界は、凄い。
多様性とやっと人間は言ってるけど、自然界の多様性に比べたら、人間界の多様性は、幼くて、かわいらしすぎる。
ムツゴロウがいた。
水際の木の上で、ピタピタ、はねていた。
私たちのご先祖様は、こうして、陸地に上がった。
水族館は、ご先祖様に、会いに行く場所。
しかも、ご先祖様は、元気にピンピン、泳いでいる。
ハコフグが、いた。
しゃがんで、泳いでいるハコフグに話しかけてみた。
ハコフグは、寄ってきた。
通じた。
ハコフグと、目があっている。
唇が、可愛らしい。
セクシーですらある。
しばらく、ハコフグと話をすることができた。
水槽が、おしゃれになっている水族館が多い。
ここの水槽は、シンプル。
シンプルだからこそ、現代アートのように、積極的に、接することができる。
あなたが、カピバラを見つめている。
カピバラは、今日、見たかった動物。
カピバラは、眠っていた。
週末の子どもたちの興奮のおつきあいで、お疲れかもしれない。
「頑張ったね。寝てて、いいよ」
あなたが、カピバラに話しかけているテレパシーが、聴こえた。



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