#784 半分ずつの、幸せ。
あなたのレジでのやりとりが、好き。
あなたと、カフェ。
週末のカフェは、どこもいっぱいだった。
こんな時。
イライラしない、あなたが好き。
電車までの時間は、15分。
駅のホームで、待つこともできる。
そんな短い間でも、カフェに入ろうとしてくれるあなたが、好き。
満席だった。
「ここ、どうぞ」
あなたを見て、小さなテーブルを開けてくれた。
あなたは、いつも運命の女神様に、愛されている。
「何が、いい」
レジで、買う仕組み。
ダージリン。
「僕は、ホットチョコレート」
あっ、そんな手が。
私も、ホットチョコレート。
あなたが、レジで頼んでいる。
声は、聞こえないけど。
レジの女性が、笑っている。
あなたは、働いている人に、優しい。
(ホットチョコレート2つください)
(ただいま、お渡しします)
レジの背中にあるマシンで、作ってくれている。
(これって、買えるんですか)
(1個しか残ってないんですけど)
(ください)
レジの女の子が、また笑った。
普通のやり取りなのに、女の子をゴキゲンにさせる。
あなたが、トレイに、ホットチョコレートを2つ持って、戻ってきた。
お皿に、小さなエッグタルトが、ひとつ乗っていた。
あなたは、その小さなエッグタルトを、2つに割ってくれた。
「はい」
一個ずつより、もっと嬉しかった。