#791 一気に、優しく。
あなたのオーダーの仕方が好き。
あなたと、バーカウンター。
初めて見るノンアルコールのモクテルが、並んでいる。
迷う。
そんな時、あなたは。
「どれと、どれで迷ってるかな」
そう聞いてくれる。
そして、迷っている2つをオーダーしてくれる。
グラスも一緒に。
ドリンクが、届いた。
コリンズグラスに、大きな氷が入っている。
ロックグラスに、「はんぶんこ」する。
氷が入っているので、難しい。
あなたは、一気に、注いだ。
一気感が、気持ちよかった。
しかも、一滴もこぼれていない。
ビクビクすると、氷がいきなり入って、溢れる。
あなたは、氷を先にロックグラスに入れていた。
その後、ドリンクを注いでいた。
まるで、バーテンダーさんの手付き。
バーテンダーさんが、遠くで、微笑んでいる。
ななめに座っている女性が、あなたの分け方を、見ていた。
彼女は、同行の男性と、同じものを飲んでいる。
ちょっと、申し訳ない気分になる。
おいしい。
あなたの仕草も、含めて、おいしい。
すぐに、飲みきってしまった。
おかわりは。
「知らないのを、頼むといいよ」
どんなのか、わからないのを、それぞれ頼んだ。
斜めのカップルは、
「同じのを、2杯」
女性を、目があった。
彼女は、苦笑い。
女同士で、ウインクしあった。