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#799 微笑む人を見て、微笑む。

あなたの行列の並び方が好き。
あなたと、お花見。
京都で最後に桜が咲くことで有名なお寺に来た。
週末。
しかも、格好のお天気。
いつもは静かなお寺も、この日ばかりは、テーマパーク状態。
チケット売り場の窓口が、4つも設けられているのを、初めて見た。
行列に、並ぶ。
並ぶのも、楽しい。
あなたと一緒だと。
あなたは、ニコニコしている。
まるで、並んでいる気配がない。
並んでいるというより、このお花見気分を味わっている。
お花見に来て、イライラしていても、始まらない。
お花見は、イライラしている気分を、落ち着かせてくれているにちがいない。
チケットは、5種類。
回るところで、分かれている。
あなたは、迷わない。
全部入り。
もはや、1日パスポート気分。
チケットを手に入れて、入門しようとすると、売り場から、入門までの参道が、行列。
そんな時も、あなたは、味わっている。
あなたは、並んでいるように、見えない。
平安京の朱雀大路を、パレードしているように見える。
前に並んでいる人は、おつきの人。
そのはるか後方から、主役のあなたが、しずしずとやってくる。
入門前の参道の両脇にも、様々な桜が、咲き誇っている。
空いていたら、足早に、通り過ぎていた。
お花見に、人が多いのは、足早に通り過ぎてしまわないためにちがいない。
あなたは、目に入る、全てのものを味わっている。
行列に、ニコニコ並んでいるカップルや家族連れを見て、あなたは微笑んでいる。
お花見は、幸せを見に来る行事。
ニコニコしている私を、あなたが見ていた。



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