#834 メモの仕草が、セクシー。
あなたのメモの仕草が好き。
あなたと、テレビの録画を見ている。
スポーツ以外は、録画の早送りで見ている。
ドキュメンタリー番組や、対談番組。
気がつくと。
あなたが、メモをしている。
あなたが、何をメモしたのか、分からない。
今、メモをするような場所があったかな。
私には、わからない。
あなたの脳に、何かを閃かせている。
話したことをメモしているのではない。
閃いたことを、メモしている。
あなたのメモは、どんどん増えていく。
そんなに。
もはや、録画を見ているのか、メモをしているのか、わからないくらい。
ゾーンに入っている。
ときどき、小さく微笑む。
ときどき、小さく驚く。
メモは、書き続けられている。
書くというより、走り続けている。
番組よりも、あなたのメモが、気になる。
出演者が、あなたにインタビューされているような感じになる。
あなたがメモするたびに、出演者が、もっと話したくなっているかのよう。
あなたのメモは、うるさくない。
煩わしくもない。
まるで。
ピアノを、奏でるよう。
画家が、デッサンをするかのよう。
話より、あなたのメモが見たい。
ロマンチックな物語を、予感させられる。
恋人に、ラブレターを書くように。
あなたが、メモをする。
メモが、こんなにセクシーだったなんて。